技術士合格コラムColumn

2019.01.01

  • コラム

技術士第二次試験筆記試験対策 暗記で対応できるのか?効率的な勉強方法とは

 

技術士試験のうち、技術士第二次試験の筆記試験は、9割近くの受験者が不合格になる非常に難しい試験です。

筆記試験は、マークシート等の試験と異なり、試験で求められる事項や勉強の方法が異なるため、戸惑う方が多いと思います。

ここでは、筆記試験に向けた勉強方法について説明します。

ポイントは次のとおりです。

・筆記試験では論文の構成を検討することが重要

・準備段階でも論文の構成の検討、第三者の添削等の適切な学習を行う

・試験で戸惑わないように、たくさんの問題に取り組み、慣れる

 

1.試験に関わる勘違い


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①とりあえず「白書」を読む

節記試験に向けては,関係省庁の「白書」を読む必要があるといわれます。

しかし,初めての受験者に多いのですが,なぜ「白書」を読む必要があるかを意識ないまま漠然と読んでしまい.情報が頭に入らず,時間ばかりが過ぎてしまうことがあります。私たちは, 学校教育の延長で,知識の修得に偏重した学習をしてしまいがちです。何が目的で「白書」を読む必要があるかを理解しておかないと.「白書」を読むこと自体が目的となってしまいます。これでは,いくら時間があっても足りなくなります。

「白書」を読む目的は.あくまで論文を作成するために必要な情報収集を行うためです。問題文にある問いに対して.適切な答えを探すためです。そういう意味では,問題文によって探すべき情報は異なりますし.「白書」の情報だけでは十分に答えられないところがあります。

 

②「白書」を読むよりもまずは過去問を解く

「白書」を読む前に.最初にしたほうがよいことは.過去問をわからないなりに解いてみることです。漠然と問題文を眺めているだけでなく.実際に過去問を.真剣に考えて. 自分なりの解答を書いてみることで自分はどんな試験に挑むのか? そこで確認される能力は何なのか? ということを少しずつ理解できるようになると考えます。

 

 

2.文章を書く前に考え抜いているか?


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①文書を書きながら考えるとどうなるか?

次の例題を見ながら,実際に論文を作成するプロセスを追っていきたいと思います。


平成25年度技術士第二次試験問題(建設部門)

建設環境【選択科目Ⅲ】

Ⅲ-1  我が国における総CO2排出量においては、都市における社会経済活動に起因することが大きい家庭部門やオフィスや商業等の業務部門と自動車・鉄道等の運輸部門における排出量が全体の約5割を占めている。このような状況を踏まえ、建設環境の技術士として以下の問いに答えよ。

(1)低炭素都市づくりを実現するための方策を3つ具体的に示し、各々の方策が低炭素に寄与する仕組みを述べよ。

(2)その方策のうち、あなたが重要と考えるもの1つについて、その理由を説明するとともに、その方策の実施に当たっての技術的課題を述べよ。

(3)上記の課題を解決するための技術的提案及びその提案の留意点やリスクについて述べよ。


時間が限られている中で自分の考えを整理して,論文に書く必要があります。時間が限られているため,受験者によくあるのが,答案用紙に文章を埋めながら,解答を考えるということです。

文章を書きながら解答を考えると.どのようなことが起こるでしょうか?

文章を書きながら考えると.「考える」よりも「書くこと」を優先させてしまい.自分の書きたいことで答案用紙を埋めてしまいます。

特に暗記を中心に勉強を進めてしまえば、自分が知っていることだけを書いて、問題文に求められているものを落としてしまいます。

結果,問いからズレてしまう.または問いに十分に答えることができません。このような解答が,技術士としてふさわしいと評価されるのでしょうか。もちろん評価されることはありません。

 

②論文構成を考える

こうならないためには,「書く」前にまずは論文の構成を考える必要があります。

ここでは、論文構成の例をお示しします。このように論文の構成を骨子やポイントとして具体的に明確にすることにより、「問いをおさえて考え抜く」ことができるものと思います。何もせずに試験当日にいきなりこのような構成を考えることはできないと思いますので、論文構成を考えるトレーニングを繰り返し行う必要があります

ここで示す例は、あくまで例なのでご自身にあった構成の考え方をして頂ければと思います。

【論文構成の例】

 

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3.筆記試験の不適切な勉強方法


私たちの勉強スタイルは、学校教育に影響され、知識の取得に偏重しています。私たちがよくやってしまうのが、以下に示す「ありがちな学習サイクル」です。

私たちは、学校教育の延長にある知識偏重の学習スタイルでは、技術士としてふさわしい考え方、思考プロセスを身につけることができないということを強烈に意識する必要があります。この学習スタイルでは、なかなか試験当日に評価される答案を書けるようにはならないと考えます。

 

【ありがちな学習サイクル】%e3%81%82%e3%82%8a%e3%81%8c%e3%81%a1%e3%81%aa%e5%ad%a6%e7%bf%92%e3%82%b5%e3%82%a4%e3%82%af%e3%83%ab%ef%bc%92

 

4.あるべき学習サイクル


技術士として求められる課題解決能力を鍛えるためには、以下に示す「あるべき学習サイクル」適切な学習サイクルを回す必要があります。

技術士としてふさわしい課題解決能力(考え方、思考プロセス)を身につけるためには、「論文構成の検討」と「添削・修正」が重要になります。これらを踏まえずに論文を量産しても、評価される論文を書くのは難しいと考えます。

 

【あるべき学習サイクル】

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①論文構成の検討

ここでの論文構成の検討は、論文に何を書くか漠然と考えておくだけでなく、論文構成を可視化することまでをいいます(論文構成の可視化についてはこちらを参照)。

試験では、初めて見る問題文に対して、問いをおさえながら考え抜く必要があります。これを適切に行うためのツールが論文構成の可視化です。トレーニングを積まずに、論文構成の検討や論文構成の可視化が、急に試験当日にできるということは、ほとんどないと考えます。試験当日だけでなく、日々の勉強の中で、これらをトレーニングしておくことが重要です。

特に最初のうちは、受験者は構成を検討することに慣れていないと考えます。このため、論文構成を検討するだけの日と、論文を書く日とを分けて、最初は丁寧に論文構成を検討するということが大切だと考えます。

 

②論文の作成

論文構成の検討の段階で、十分にメッセージ(問いへの答え)を固めておけば、論文の作成は論文の構成を答案用紙に流し込むだけとなります。

 

③添削・修正

自分自身の書いた解答は、往々にして「なんとなくできている」と考えてしまいがちで、自分の解答を技術士としてふさわしい考え方、思考プロセスをしているかを確認することは難しいと考えます。

一方、試験では、技術士としてふさわしい考え方、思考プロセスをしているか解答を厳格に確認されます(Ⅲ選択科目の場合、課題解決能力として、課題等の抽出、多様な視点、実現可能な解決策等)。

このため、日頃から添削という形で第三者にチェックしてもらい、フィードバックを受けることが重要です。人に添削してもらうことで、自分で行うよりも客観的に、技術士としてふさわしい考え方、思考プロセスをしているかを確認することができます。

 

④基本の取得

ここでの基本の取得は、専門知識の取得に加えて、技術士としてふさわしい考え方、思考プロセスの理解等です。

専門知識を取得してなければ、試験当日に適切な論文構成を検討することはできません。試験当日までに、専門知識の取得は必須です。

その上で、技術士としてふさわしい考え方、思考プロセスの理解し、論文構成が検討できるようになったり、課題解決能力としての課題等の抽出、多様な視点、実現可能な解決策への理解を深めたりすることも重要になります。

課題解決能力が何かを自分の言葉で説明できるようになるまで、理解を深めることが重要です。

 

⑤学習サイクルを素早く回す

学習サイクルの各プロセスについて,1つのプロセスに集中し続けるよりも,全体のサイクルを素早く回すことが重要です。

論文は人に添削してもらうのだから,良く見られようと思い,完璧を目指し,1つの論文を作成するのに必要以上の時間をかけてしまいます。特に,「考える」,「調べる」,「書く」の中で,「調べる」という行為は,いくら時間を費やしても,完全には調べ尽くすことはできません。
むしろ,限られた時間の中で,問いに答えるための重要なポイントを調べるといった観点が重要になります。忙しく仕事をして,勉強する時間も限られている中では,とにかく論文を書き上げ,終わらせ,学習サイクルを一つひとつ回すという考え方が重要になります。

 

5.合格に向けた勉強の全体像


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【Step1】成績Aの答案を1つずつ確実に作る

過去問をベースに、成績Aとなる答案を自分の手で1つずつ作ります。
特に最初は上手く答案が作成できないため、添削を受けながら、あるべき学習サイクルを適切に回します。
これをすることで、今後、合格する可能性が生まれます。

 

【Step2】予備の問題を含めて答案を準備する(10題)

予備の問題を含めて答案を10題程度準備します。
このときには、答案だけではなく、重要な解決策について、その内容と現状の問題点等について整理し、解決策のメニュー表として準備しておきます。
これにより合格最低ラインに入ることができます。

 

【Step3】過去6年分の様々な問題に取り組む

試験当日に準備したテーマが出題されたのに,準備した問題文と少し違っていたため,上手く書けなかったということがよくあります。
このような状況を防ぎ,合格率を高めるためには,問題に慣れる必要があります。特に,あるべき学習サイクルを一定程度回して,合格レベルの答案を作成できるようになった後は,どんなパターンの出題にも対応できるように,たくさんの過去問を浴びるように取り組むことが効果的です。
この段階では,一つ一つの問題を丁寧にこなすよりも,たくさんの問題に取り組み,どんなパターンにも対応できることを目指します。問題に取り組む際には,答案まで完全に作成せずに,構成や見出し程度で答えをまとめます。このまとめた答えと後述する合格者の再現答案と比較して,自分の構成やキーワード等の方向性が合っていることを確認します。
たくさんの過去問を浴びるように取り組むことで,どんなパターンの出題がされても対応できるようになります。

ここまで勉強を重ねると十分合格ラインに到達できます。

 

 

 

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筆記試験対策スライド(平成31年度 試験方法の改正対応)の一部公開


技術士の筆記試験に向けた対策をわかりやすいスライド形式でまとめています。

スライドの一部を公開します。

 

 

 

 

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※論文の書き方、勉強方法等を約170ページにわたり解説しています。

 

 

 

 

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