2023.10.01
- コラム
技術士筆記試験対策(施工計画、施工設備及び積算計画)Ⅲ選択科目 重要キーワード
技術士試験のうち、技術士第二次試験の筆記試験は、9割近くの受験者が不合格になる非常に難しい試験です。
筆記試験は、マークシート等の試験と異なり、試験で求められる事項や勉強の方法が異なるため、戸惑う方が多いと思います。
ここでは、施工計画、施工設備及び積算のⅢ選択科目について筆記試験に向けた勉強方法について説明します。
ポイントは次のとおりです。
・採点者は、答案を感覚ではなく、採点マニュアルに従って採点している
・答案に記載することは、自分が知っていることではなく、国(国土交通省本省)の取り組み
・やみくもに勉強するのではなく、頻出のテーマ、キーワードに絞っておさえる
・キーワードは暗記するのではなく、深く理解する
・Ⅲ選択科目の頻出テーマであり、必須科目でも出題される生産性向上・雇用の改善、維持管理等をおさえる
なお、私ども技術士の学校では筆記試験対策講座を開催していますが、「施工計画、施工設備及び積算」では合格率44%(令和元年度〜令和4年度)、女性も「建設部門」全体で合格率72%(令和元年度〜令和5年度)と多くの方が筆記試験を通過しています。そして、講座の受講を検討している方に向けて、オンライン上で無料の体験クラスも開催しています。
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施工計画、施工設備及び積算 Ⅲ選択科目対策 重要テーマ
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1.採点者は、答案を感覚ではなく、採点マニュアルに従って採点している
筆記試験は記述式の試験のため、採点者は答案を感覚で採点していると思うかもしれません。
しかし、技術士分科会試験部会の資料では、「作問委員は、採点委員が当該問題の答案採点を的確かつ効率的に行えるよう、出題の目的、採点基準等を採点マニュアルに明確に示すこと。」とあり、採点マニュアルの存在が明示されています。
答案に記載されている解決策が適切かどうかを一つ一つ採点者が自分で適切かどうかを判断していては、採点が非常に大変になります。採点者の負担を考えると、採点マニュアルの中に、答案に記載すべき解決策等のキーワードが事前にある程度定められていると推測されます。
このため、答案には、私たちが知っていることではなく、採点マニュアルに記載されているような解決策等のキーワードを記載する必要があります。
2.技術士試験に求められる専門知識とは?
筆記試験に向けては当然、専門知識(キーワード)が必要になります。
技術士試験は、国家資格であり、技術士にふさわしい人を選定する厳格な試験になります。
上記の採点マニュアルを作成するときに、採点マニュアルの作成者は、自分たちの知っていることだけで、加点されるキーワードを定めていないと思います。各出題テーマについて、主に国(国土交通省本省等)の検討内容等を踏まえて、検討や議論を重ねて加点されるキーワードを定めていることと考えます。
これらの専門知識ですが,Ⅱ選択科目で求められる専門知識は実務レベルであり、受験生によっては日常の実務を通じて,既に十分な専門知識を身につけているかもしれません。
しかし,Ⅰ必須科目,Ⅲ選択科目で求められる専門知識(キーワード)は,例えば,「コンパクト・プラス・ネットワーク」等のような国(国土交通省本省等)が重要と考える取り組みになります。国の取り組みについて,日常の実務で触れている人は少なく,多くの受験生は改めてキーワードを把握しておく必要があると考えます。
特に,過去の筆記試験で記述式の成績が悪かった人は,適切なキーワードが押さえられていない可能性があります。
このような場合は,過去問から出題テーマを把握して,そのテーマで用いる専門知識のキーワードを押さえておく必要があります。
3.キーワードの数は必ずしも多くなくていいが、重要なキーワードは深く理解する
キーワードは,関係省庁のガイドライン,マニュアル,審議会,委員会の検討資料等から把握するのが正攻法になります。また、キーワードを把握するだけであれば,合格者の再現答案からキーワードを把握するという方法もあります。
ただし,多用されているキーワードは,それほど多くはないので安心していただければと思います。むしろ,キーワードをたくさん知っていることよりも,多用されている重要なキーワードを深く理解し,問題文に応じて適切に記述できるようになることの方が重要になります。
また、キーワードとなる取り組みは内容だけではなく、実施に当たっての技術的課題,技術的提案まで求められる可能性があり,このことを想定して準備する必要があると考えます。
なお,キーワードの内容を理解するためには,合格答案だけではなく,その他,ガイドライン等の資料でキーワードの内容を確認しておく必要があります。
4.施工計画、施工設備及び積算計画の重要テーマ
施工計画、施工設備及び積算の過去問(Ⅲ選択科目)をよく分析してみると、次のテーマで出題されていることが分かります。
生産性向上、雇用の改善、維持管理等のテーマは建設部門Ⅰ必須科目でも出題されます。生産性向上・雇用の改善、維持管理等はⅠ必須科目でも出題される可能性があるため、これらのテーマを押さえておくことで、必須科目でも選択科目でも高得点を狙うことができます。
○担い手確保
※R5、R4、R3、R2、R1、H29、H28に出題
○生産性向上
※H30、H26に出題
○インフラの維持管理
※R2、H27、H25に出題
○入札・契約等
※R3、H29に出題
○応急復旧工事
※R4に出題
○カーボンニュートラル
※R5に出題
○建設リサイクル
※R1に出題
等
5.施工計画、施工設備及び積算計画の各テーマの重要キーワードと参考資料等
施工計画、施工設備及び積算計画で、よく出題されるテーマとして、担い手確保、生産性向上、インフラの維持管理、入札・契約等、応急復旧工事、カーボンニュートラル、建設リサイクルについて重要キーワードと参考資料を紹介します。
ここで説明する重要キーワードは、各テーマの答案に記載する必要があるので、各テーマを勉強する場合は、確実におさえておくことが重要です。
①「生産性向上・担い手確保」 重要キーワードと参考資料
「建設業における担い手の確保・育成と生産性向上」(国土交通省)では、「担い手確保」と「生産性向上」は、将来にわたって社会資本を維持するための2つの重要な柱になっています。
将来にわたる社会資本の品質確保と適切な機能維持を図るためには、建設業の将来を担う若者の入職・定着を促し、人材を確保することが最重要課題。 加えて、労働力人口が総じて減少する中、我が国の経済発展に資する社会資本の効果的な整備を図るため、人材確保と並ぶ対策の柱として、生産性向上を推進することが不可欠。
出典:「建設業における担い手の確保・育成と生産性向上」(国土交通省)
「生産性向上」と「担い手確保」は、重複する部分もありますが、それぞれで取り組む内容が異なり、答案に記述すべきキーワードも異なります(下図参照)。「生産性向上」と「担い手確保」は、それぞれ重要なキーワードについても押さえておくことが重要になります。
出典:「建設業における担い手の確保・育成と生産性向上」(国土交通省)
(1)担い手確保
「担い手確保」の過去問の例を紹介します。
過去問の例【R5建設部門 施工計画、施工設備及び積算】Ⅲ-2
建設業では,令和6年4月から改正労働基準法による時間外労働の上限規制が適用される。建設業をより魅力的なものにしていくためには,建設業に携わるすべての人が,月単位で週休2日を実現できるようにする等,週休2日の質の向上に取り組むことが重要である。このような状況を踏まえ,建設業就業者数に限りがあることや対策に費やすことができる資金の制約があることを念頭に置いて,施工計画,施工設備及び積算分野の技術者として,以下の問いに答えよ。
(1)建設現場での週休2日を確保するために,多面的な観点から3つの課題を抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,その課題の内容を示せ。(*)
(*)解答の際には必ず観点を述べてから課題を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を,専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(2)で示した解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。
過去問の例【R1建設部門 施工計画、施工設備及び積算】Ⅲ-1
「公共工事の品質確保の促進に関する法律」の基本方針には,公共工事に従事する者の賃金その他の労働条件,労働環境が改善されるように配慮されなければならないと明記され,「発注者の責務」,「受注者の責務」が定められている。
国土交通省は,これまで継続的に公共工事設計労務単価を引き上げてきているが,技能労働者の賃金は製造業と比べ未だ低い水準にあり,引き続き建設業団体に対して適切な賃金の確保等を要請している。
一方,こうした要請を踏まえ,一般社団法人 日本建設業連合会は「労務費見積り尊重宣言」を行い,一次下請企業への見積り依頼に際して,適切な労務費(労務賃金)を内訳明示した見積書の提出要請を徹底することにより,更なる賃金引き上げを実現していくとの考えを示している。
このような背景を踏まえ,建設工事の直接的な作業を行う技能労働者について下記の問いに答えよ。
(1)技能労働者の労働条件及び労働環境の改善,それに必要な費用の確保のそれぞれに関し,技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
以下に答案に記述すべき重要キーワードの例を紹介します。高得点を取るためには、これらのキーワードを用いて答案を作成することが重要になります。
<答案に記述すべき重要キーワードの例>
・長時間労働の是正
・処遇の改善
・教育訓練の充実強化
・ICTの全面的な活用
・建設キャリアアップシステム
等
将来の担い手を確保するため、建設業における労働環境等を改善する「建設業働き方改革加速化プログラム」(国土交通省)が策定されています。例えば、本資料を参考に、重要キーワードの理解を深めることが重要になります。
出典:「建設業働き方改革加速化プログラム」(国土交通省)
(2)生産性向上
「生産性向上」の過去問の例を紹介します。
過去問の例【H30建設部門 施工計画、施工設備及び積算】Ⅲ-2
社会資本整備の担い手である建設業は中長期的に厳しい人手不足に陥ることが予想されており,これを克服するためには,生産性の飛躍的な向上に積極的に取組む必要がある。
このような認識を踏まえ,以下の問いに答えよ。
(1)生産性の向上が建設分野に及ぼす効果を3つ以上挙げ,その概要を述べよ。
(2)建設工事の各段階(①調査・測量・設計,②施工・検査,③維持管理・更新)において, ICT 等の活用により生産性が向上すると考えられる内容を,従来の方法と比較しつつ具体的に述べよ。
(3)今後,建設分野において,ICT 等の活用を広く普及させ,さらに高度化させる上での課題を挙げ,その解決方策について,あなたの考えを述べよ。
以下に答案に記述すべき重要キーワードの例を紹介します。高得点を取るためには、これらのキーワードを用いて答案を作成することが重要になります。
<答案に記述すべき重要キーワードの例>
・ICTの全面的な活用(ICT土工)
・コンクリート工の規格の標準化等
・ドローン等による3次元測量
・ICT建設機械による施工
等
直近ではi-Construction等の「生産性向上」の取り組みが大きな事業として進められてきました。例えば、「i-Construction」(国土交通省)等を参考に、重要キーワードの理解を深めることが重要になります。
出典:「i-Construction」(国土交通省)
「生産性向上・担い手確保」における過去問の例を紹介します。
令和3年度には、特に工事従事者の「週休二日」を実現するための課題が求められました。「生産性向上」と「担い手確保」の キーワードを上手く組み合わせれば回答できるか問題と思います。
過去問の例【R3建設部門 施工計画、施工設備及び積算】Ⅲ-1
働き方改革関連法による改正労働基準法(平成31年4月施行)に基づき,令和6年4月から建設業に時間外労働の罰則付き上限規制が適用されることとなった。また,公共工事においては週休二日対象工事の発注が拡大している。
建設業が引き続き,社会資本の整備・維持管理,災害対応,都市・地域開発,住宅建設・リフォーム等を支える役割を十分に果たしていくためには,建設業の働き方改革の取組を一層進めていく必要がある。
このような状況下において,週休二日が前提となった多工種工事を受注した。本工事の受注者(元請負人)としての立場で,以下の問いに答えよ。
(1)本工事のすべての工事従事者の週休二日を実現するため,施工計画を策定する際に検討すべき課題を,多面的な観点から3つ抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,課題の内容を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)前問(2)で示した解決策を実行しても新たに生じる懸念事項とそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。
令和4年度には、建設生産プロセスにおける課題(ICT・DXの推進による個々の建設現場の生産性向上に関する課題は除く)が求められました。
過去問の例【R4建設部門施工計画、施工設備及び積算】Ⅲ-2
我が国は,これまでも,安全・安心の確保や持続可能な地域社会の形成,経済成長を図るためにインフラ整備を進めてきたが,引き続きこれらの目的を達成していくためには,我が国のインフラが置かれている状況や社会情勢の変化も踏まえて,必要となる社会資本の整備に取り組んでいく必要がある。
上記を踏まえ,施工計画,施工設備及び積算分野の技術者として,以下の問いに答えよ。
(1)社会資本の整備を持続的に円滑かつ適切に実行していくための,計画,調査・測量から設計,施工,検査,維持管理・更新までの建設生産プロセスにおける課題を多面的な観点から3つ抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,その課題の内容を示せ。ただし,ICT・DXの推進による個々の建設現場の生産性向上に関する課題は除くものとする。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を,専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(2)で示した解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。
<生産性向上・担い手確保の参考資料>
「i-Construction」(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/common/001137123.pdf
「建設業働き方改革加速化プログラム」(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/common/001226489.pdf
「CIMの現況について (報告) 」(国土交通省)
http://www.nilim.go.jp/lab/peg/siryou/20160308_hattyuusyakon2/280308_siryou4.pdf
出典:「建設業における担い手の確保・育成と生産性向上」(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/common/001090042.pdf
②「インフラの維持管理」 重要キーワードと参考資料
「インフラの維持管理」における過去問の例を紹介します。
過去問の例【R2建設部門 施工計画、施工設備及び積算】Ⅲ-1
我が国は人口減少局面にあることに加え、総人口に占める高齢者の割合は増加しており、他国も経験したことのない超高齢化社会を迎えようとしている。 こうしたなか、全国平均に比べて早い時期から高齢化が進行している過疎地域では、今後の地域社会の維持・継続が困難になる事態が多数発生すると危惧されている。 このような状況踏まえ、施工計画・施工設備及び積算の技術者として、以下の問いに答えよ。
(1)過疎が進行しつつある地域におけるインフラの維持管理・更新を実施するに当たって、多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点とともに示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)前問(2)で示した解決策の実施に際して生じるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
以下に答案に記述すべき重要キーワードの例を紹介します。高得点を取るためには、これらのキーワードを用いて答案を作成することが重要になります。
<答案に記述すべき重要キーワードの例>
・予防保全型維持管理への転換
・インフラの集約・再編等
・維持管理技術者の確保・育成
・アセットマネジメント
・ロボテクス等による点検
等
インフラの維持管理については、国土交通省における深刻な問題であり、「メンテナンス戦略小委員会」などの中で、検討が進められています。例えば、「第25回メンテナンス戦略小委員会(第3期第7回) 配付資料」(国土交通省)等を参考に、重要キーワードの理解を深めることが重要になります。
出典:「インフラメンテナンスにおける取り組むべき項目と当面の進め方(案)説明資料」(国土交通省)
<インフラの維持管理の参考資料>
「持続可能で的確な維持管理・更新」 (国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/common/000229315.pdf
「国土交通省インフラ長寿命化計画(行動計画) 」 (国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/sosei_point_mn_000011.html
「維持管理でのICT導入の現状と課題」(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/common/001198223.pdf
「第25回メンテナンス戦略小委員会(第3期第7回) 配付資料」(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/sogo03_sg_000148.html
③「入札・契約等」 参考資料
過去問の例を紹介します。
過去問の例【R3建設部門 施工計画、施工設備及び積算】Ⅲ-2
公共工事の入札・契約では,透明性の確保,競争の公正性の確保,入札談合等の不正行為の排除,ダンピング受注の防止,不調・不落対策等の入札・契約の適正化が求められる。
発注者においては,ダンピング受注を防止するための適切な低入札価格調査碁準や最低制限価格の設定と,不調・不落対策等に対応するため適切な発注が求められている。一方,応札者は,発注者が設定する予定価格及び低入札価格調査基準等を推算し,応札している実態も指摘されている。
このような状況を踏まえて,以下の問いに答えよ。
(1) 公共工事が,適正な額で応札・落札されるための課題について,施工計画,施工設備及び積算分野の技術者として多面的な観点から3つ抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,課題の内容を示せ。
(2) 前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題の解決策を複数示せ。
(3) 前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。
国土交通省では、多様な入札契約方式を体系的に整理したガイドラインを策定、公表しています。例えば、本資料を参考に、重要キーワードの理解を深めることが重要になります。
出典: 「入札契約制度の現状について」(令和元年9月 国土交通省
令和3年度の問題は入札・契約の適正化について課題が求められています。
入札・契約等については年度によって、問われる内容が異なります。入札・契約等は、過去問を準備したとしても、準備した内容が出題されるとは限りませんが、入札・契約等ついてもある程度準備しておけば万全の状態で試験に挑むことができます。
ただし、 勉強時間には限りがあるのであるので、Ⅰ必須科目やⅡ選択科目等の学習の進捗を踏まえて、Ⅲ選択科目ではどのテーマまで準備するかについて優先順位を検討するのが有効と考えます。
④「応急復旧工事」
令和4年度では、次のような「応急復旧工事」に関する問題が出題されました。
過去問の例【R4建設部門施工計画、施工設備及び積算】Ⅲ-2
我が国は災害が起きやすい国土であり、常に災害リスクに直面してきた。これに加え、近年、豪雨災害が激甚化・頻発化するとともに、南海トラフ地震、首都直下地震や日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震といった巨大地震の発生リスクも切迫する。今後、大規模かつ広域的な災害が発生し、河川、道路、鉄道、海岸などの複数のインフラ施設が甚大な被害を受けた場合、まず被災地域の暮らしを確保するため、被災状況を踏まえて応急復旧工事を進めることになる。
上記を踏まえ、施工計画、施工設備及び積算分野の技術者として、以下の問いに答えよ。
(1)大規模・広域災害時において、応急復旧工事の実施に当たり配慮すべき課題を多面的な観点から3つ抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ選択し、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(2)で示した解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
⑤「カーボンニュートラル」
令和5年度では、次のような「カーボンニュートラル」に関する問題が出題されました。
過去問の例【R5建設部門 施工計画、施工設備及び積算】Ⅲ-1
近年の気候変動の影響により自然災害が激甚化・頻発化している状況下において,地球温暖化対策が喫緊の課題となっている。気候変動問題が社会経済活動の持続可能性を脅かすリスクを回避するためには,施工計画,施工設備及び積算分野においても,現場の安全と環境に配慮し,工期と予算の範囲内で良質な構造物を整備することに加えて,グリーン社会の実現に向けたカーボンニュートラルヘの取組が不可欠となっている。
このような状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。
(1)構造物の新たな整備から供用後までの各過程におけるカーボンニュートラルヘの取組を推進するに当たり,技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,課題の内容を示せ。(*)
(*)解答の際には必ず観点を述べてから課題を示せ。
(2)前問(1)で示した課題のうち,最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を,専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(2)で示した解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。
⑥「建設リサイクル」
令和元年度では、次のような「建設リサイクル」に関する問題が出題されました。
過去問の例【R1建設部門 施工計画、施工設備及び積算】Ⅲ-2
天然資源が極めて少ない我が国が持続可能な発展を続けていくためには, 「建設リサイクル」(建設副産物の発生抑制,再資源化,再生利用及び適正処理)の取組を充実させ,廃棄物などの循環資源が有効に利用・適正処分されることで環境への負荷が少ない「循環型社会」を構築していくことが重要である。今後,社会資本の維持管理・更新時代の本格化に伴い建設副産物の質及び量の変化が想定されることなど,更なる「建設リサイクル」の推進を図っていく必要がある。
このような状況を踏まえて,以下の問いに答えよ。
(1) 「建設リサイクル」の推進の取組に関して,技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち,最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
筆記試験は、9割近くの受験者が不合格になる非常に難しい試験です。さらに、受験者から採点方法がみえにくいため、対策・改善の方向性等がわかりにくい試験です。対策・改善の方向性等がわからなければ、何度受験しても不合格になってしまいます。
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通常の合格率10%程度
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カリキュラム開発(建設部門)
下所 諭 (げしょ さとし)
技術士(建設部門、総合技術監理部門)
大手建設コンサルタント会社で13年間勤務。広島大学 客員准教授。
大手建設コンサルタント会社在籍時から含めて、10年以上、技術士の取得支援に携わっています。知見が集積する大手建設コンサルタント会社等でないと合格が難しいですが、多くの受講生を技術士の取得に導いています。
施工計画、施工設備及び積算 Ⅲ選択科目対策 重要テーマ
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